鍼灸はどのくらいの頻度で通う?——「3ヶ月10回」を最初にお渡しする理由
鍼灸に行ってみたい。でも、ひとつ気になっていることがある。「一回で終わるものなのかな。それとも、ずっと通い続けることになるのかな…」。
何回通えばいいのか分からない。いくらかかるのかも見えない。そういう「終わりの見えなさ」が、最初の一歩をいちばん重くしているのではないでしょうか。
でも――通う回数が分からないのは、あなたが心配しすぎだからではありません。多くの場合、最初に誰も地図を渡していないからです。
一回で変わることも、一回では戻ることもあります
鍼灸を受けたその日に、体が軽くなる方は少なくありません。肩が下りた、呼吸が深くなった、よく眠れた。そういう変化は、一回目からでも出ることがあります。
ただ、数日たつと、また元に近い状態へ戻っていく。これも、よくあることです。何年もかけてついた体のくせは、一度ゆるめただけでは、元の形に戻ろうとするからです。
くせのついた紙を思い浮かべてください。一度手で伸ばしても、離すとまた丸まります。でも、伸ばしては休ませ、また伸ばす。それを何度か重ねていくと、だんだん平らなまま置いておけるようになる。体も、似たところがあります。
間隔を詰める時期と、あける時期
だから鍼灸では、通う間隔を最初から最後まで同じにはしないことが多いのです。
はじめのうちは、体が元のくせに戻りきる前に、次の施術を重ねます。間隔を詰めることで、ゆるんだ状態を少しずつ体に覚えてもらう時期です。
そして、施術と施術のあいだも楽な日が続くようになってきたら、間隔をあけていきます。あけても戻りにくくなった。それ自体が、体が変わってきたしるしでもあります。
自律神経の不調のように、良い日と悪い日の波がある症状では、この見極めがとくに大切です。調子のいい日だけを見て間隔をあけると、波に飲まれて振り出しに戻ったように感じてしまう。だから、悪い日がどれくらいの間隔で来ているかも、一緒に見ていきます。
なぜ、最初に「3ヶ月10回」をお渡しするのか
当院では、初回のカウンセリングのときに「3ヶ月10回」の施術プランをお渡ししています。僕たちは、これを「通う地図」と呼んでいます。
体質が変わっていくには、早い方でも3ヶ月ほどが目安です。そのあいだに、どのくらいの間隔で、何を重点的に行い、どのあたりでどんな変化を確かめるのか。それを、最初の日にお伝えします。
地図があると、途中で迷いにくくなります。思うように変化を感じられない週があっても、「今はこの段階だから」と確かめ直せる。ゴールの見えない通院が、自分で進み方の分かる道のりに変わります。
地図は、一度決めたら変えないものではありません
10回という数は、約束ではなく目安です。毎回の施術のあとに、今どこまで来たのか、体や気持ちにどんな変化があったのかを一緒に振り返り、必要なら地図を描き直します。
思ったより早く楽になれば、間隔をあけていけばいい。仕事が忙しい時期に重なったら、ペースを相談すればいい。回数券を無理にお勧めすることもしていません。通い続けてもらうことが目的ではなく、ご自分の体でやっていけるようになることが目的だからです。
だから、施術のたびに、次の来院までにできることもお伝えします。体を整える時間は、院の中だけでなく、毎日の暮らしの中にもあるからです。
はじめての方へ
初回では、カウンセリングと5つの検査で、不調がどこから来ているのかを確かめてから施術に入ります。そして最後に、10回のステップの計画をお渡しします。次の予約をその場で決めていただく必要はありません。地図を持ち帰って、ご自身のペースで考えていただければ十分です。
何回通えばいいのか分からない不安は、通う前に解消できます。最初の一歩を、少しだけ軽くしてみませんか。なお、効果や感じ方には個人差があります。
なお、強い痛みが急に出た、しびれや力の入りにくさがある、発熱を伴うといった場合は、まず医療機関を受診してください。
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