めまい

首こりと吐き気——気持ち悪さの出どころが首にあることがあります

自宅のダイニングで口元を押さえ、気持ち悪さに耐えている女性

首が重い日は、なんとなく気持ちも悪い。胃が悪いのかと思って内科にかかったけれど、特に問題はないと言われた。胃薬を飲んでも、すっきりしない。


「疲れているだけ」「ストレスかな」。そう片づけて、その日をやり過ごす。けれど、首がつらい日にかぎって吐き気が出ることに、うすうす気づいている。

でも首と吐き気がつながっているなんて、あまり聞いたことがないですよね。実は、この二つは体の中で隣り合っています。


細い首の中を、何が通っているか


首は、頭と体をつなぐ細い通り道です。ここを通っているのは、骨と筋肉だけではありません。


頭へ向かう血管が通っています。そして自律神経――体を動かすモードと休むモードを切り替えるはたらきのことです、この細いところを通り抜けていきます。


トンネルを思い浮かべてください。トンネルそのものが壊れていなくても、中で渋滞が起きれば、向こう側に荷物が届きません。首の周りが長く緊張していると、通り道の中で似たことが起こると考えられています。


吐き気やむかつきは、胃だけで決まるものではありません。休むモードのはたらきが偏ると、消化の動きも一緒に乱れます。だから、胃を調べて異常がないのに気持ちが悪いということが起こり得るのです。


「異常なし」と「問題なし」は、同じではありません


内科でもレントゲンでも、「異常はありません」と言われることがあります。これは大切な情報です。命にかかわるものが隠れていないと分かったのですから、まずそこは安心していい。


ただ、検査が見ているのは主に「形」です。川に例えると分かりやすいかもしれません。川底の石が変形していなくても、途中に枝葉が溢まっていれば、水はそこでせき止められます。せき止められた場所から、水があふれる。


形に異常がなくても、そこを流れるものに滞りがあることは、珍しくありません。壊れているのではなく、はたらきが落ちている。首から来る不調は、たいていこちら側の話です。


先に、医療機関へ行っていただきたい場合があります


ここは大事なところなので、はっきり書きます。次のような場合は、鍼灸より先に医療機関を受診してください。


  • 突然の激しい頭痛とともに吐き気がある
  • 手足に力が入らない、しびれが急に広がる
  • ろれつが回らない、物が二重に見える
  • じっとしていても強い回転性のめまいが続く
  • 発熱を伴う、首が硬くて曲げられない

鍼灸は診断をする仕事ではありません。必要な検査を受けていただいたうえで、その先に残ったつらさを一緒に見ていく立場です。


当院で確かめていること


当院では、首だけを触って終わりにはしません。まず体の土台がどう傾いているか、首がどの位置で頭を支えているかを確かめます。

そのうえで、髪の毛ほどの細さの鍼で深い層にはたらきかけながら、脈やお腹の状態も一緒に見ていきます。気持ち悪さのご相談でお腹を触らせていただくのは、そのためです。


首のつらさと消化の不調が同じ土台の上に乗っていることは、めずらしくありません。


変化は、地味なところに出ます。朝の支度のときに、洗面台の前で一度立ち止まらなくなる。昼食を、時間が来たから食べるのではなく、食べたいと思って食べている。なお、効果や感じ方には個人差があります。


首の重さと、あの気持ち悪さ。別々のものとして扱ってきたなら、一度つなげて考えてみませんか。


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