睡眠・疲労

腸内環境と睡眠の関係——睡眠チェックに「お腹」の項目がある理由

朝の光が入る食卓で、お腹にそっと手を当てている女性。テーブルには湯気の立つ味噌汁とごはん

SBR快眠整体の初回では、最初に52問の睡眠チェックに答えていただきます。結果は、睡眠負債・副腎疲労・腸内環境・脳疲労・体内リズムの5つの項目に分かれて、点数で出てきます。


結果をお見せすると、よく聞かれることがあります。「眠りの検査なのに、どうしてお腹のことまで聞くんですか?」

今日は、その答えを書いてみます。


腸と脳は、つながっている


大事な発表の前にお腹が痛くなる。旅行に行くと、お通じが止まる。心配ごとがあると、食欲がなくなる。誰でも一度は、気持ちとお腹が一緒に動いた経験があると思います。


腸と脳は、自律神経などを通して、たがいに影響し合っていると考えられています。「腸脳相関(ちょうのうそうかん)」と呼ばれる考え方です。気持ちがお腹に出るのと同じように、お腹の調子が、気持ちや体の休まり方に響くこともあります。


お腹が落ち着かないと、体は休むモードに入りにくい


眠るとき、体は昼の「動くモード」から、夜の「休むモード」へ切り替わります。この切り替えを受け持っているのが自律神経です。

お腹が張っている、冷えている、お通じが何日もない。そんな状態のまま布団に入ると、体はどこか落ち着かず、休むモードに切り替わりにくくなります。僕が施術でお腹に触れると、眠りに悩んでいる方ほど、お腹が固くこわばっていることが少なくありません。


眠りのホルモンの「材料」は、食べたものから


夜になると、体の中で眠りを促すホルモン(メラトニン)がつくられます。その材料をさかのぼると、セロトニンという物質になり、さらにその材料は、食べ物から取り込むトリプトファンというアミノ酸です。


ここで一つ、誤解されやすいことがあります。セロトニンの多くは腸でつくられますが、腸でできたセロトニンが、そのまま脳で眠りのホルモンになるわけではありません。ただ、食べたものを消化して、材料を体に取り込む入り口は腸です。その意味で、腸の調子は眠りと無関係ではありません。


東洋医学では「胃が和やかでないと、眠りは安らかでない」


東洋医学の古典には、「胃和せざれば、則ち臥(が)安からず」という言葉があります。胃腸が和やかでないと、横になっても安らかに眠れない、という意味です。

食べすぎた夜、遅い時間にお腹いっぱい食べた夜に、寝苦しかった経験はありませんか。二千年ほど前の古典の時代から、お腹と眠りはつながったものとして見られてきました。症状は煙で、原因は火の元。眠れないという煙の下に、お腹という火の元が隠れていることがあります。


睡眠チェックの「腸内環境」で見ていること


睡眠チェックの腸内環境の項目では、毎日のお通じのこと、食事のかたより、甘いものが欲しくなるかどうか、といったお腹まわりの暮らしを聞いています。


5つの項目を並べてみると、「眠れないのは考えごとのせいだと思っていたけれど、点数が低かったのはお腹のほうだった」ということが起こります。眠りの悩みは同じでも、どこから手をつけるかは人によって違います。それを確かめるのが、睡眠チェックの役目です。


今日からできる、お腹から眠りを考えること


特別な食品や飲み物を買う前に、暮らしの中でできることがあります。一つだけ、続けやすいものを選んでください。


  • 朝ごはんを、少しでも食べる。朝に食べることで、お腹と体の時計に「一日が始まった」と伝わります
  • 夕食は、寝る2〜3時間前までに。お腹が消化に追われたまま眠ると、体が休みにくくなります
  • よく噛んで、ゆっくり食べる。急いで食べると、お腹も気持ちも慌ただしくなります
  • 野菜や海藻、味噌や納豆などを、いつもの食事に。特定の食品に頼るより、かたよりを減らすことを大切にします
  • お腹を、冷やさない。寝る前にお腹に手を当てて、ゆっくり息を吐くだけでも、体の力が抜けやすくなります


お腹の痛みや下痢・便秘が長く続く、便に血が混じる、急に体重が減った、という場合は、まず医療機関を受診してください。眠れない状態が長く続いている方も、医療機関への相談をあわせてご検討ください。


当院での見かた


SBR快眠整体では、鍼は使いません。お腹と頭にやさしく触れる手技で、身体を休息しやすい状態へ整えることを目指します。お腹へのアプローチでは、内臓まわりの緊張を確かめながら、呼吸が深まり、力が抜けやすい状態を目指します。


初回は睡眠分析つきです。5つの項目のうち、どこから整えるとよさそうか、結果を見ながら一緒に確かめます。なお、効果や感じ方には個人差があります。

眠れない夜に、頭のことばかり考えていたなら。一度、お腹のほうにも目を向けてみてください。


SBR快眠整体|鍼を使わない、眠りのための整体/便秘とストレスの関係——気を遣いすぎる人の腸で起きていること/寝付きが悪いのはなぜ?——布団に入っても、体が休む準備をしていない夜に

この記事を書いた人

若林 大(わかばやし・だい)/鍼灸colors 院長

はり師・きゅう師、カイロプラクティック理学士。治療家として25年、骨格と東洋医学の両面から体を診ています。

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