睡眠・疲労

枕を変えても首こりが治らないとき、見直したい3つのこと

朝の寝室でベッドに起き上がりながら首の後ろを押さえている女性

高さの違う枕を、いくつ試したでしょうか。低反発、そば殻、タオルを畳んで調整したこともある。それでも朝起きると、首が重い。


「自分に合う枕にまだ出会っていないだけだ」。そう思って、次の枕を探す。枕の口コミを何時間も読む。気づけば押し入れに、使わなくなった枕が積み上がっている。


でも枕が合わないのではなく、枕に求めているものが多すぎるとしたら、どうでしょうか。


1.枕は、首の形を「直す」道具ではありません


枕がしているのは、寝ているあいだに首と頭を預ける場所をつくることです。


ここで大事なのは、橋脚(支え)は橋のかたちを直さないということです。橋そのものが反っていれば、橋脚をどう調整しても、どこかに無理が残ります。日中ずっと前に出ている首が、夜の数時間で元の位置に戻るわけではありません。


枕選びで首こりが解決するのは、首の支え方そのものに大きな問題がない方です。日中に首が前へ出た状態で何時間も過ごしているなら、枕は「悪化させない道具」であって、「治す道具」ではない、というのが僕の見かたです。


2.高さより、寝返りの打ちやすさ


枕を選ぶとき、多くの方が高さを気にします。もちろん高さも大事です。ただ、もうひとつ見てほしいところがあります。寝返りが打てているかどうかです。

人は一晩に何度も寝返りを打ちます。同じ姿勢が続くと血の巡りが偏るので、体が勝手に位置を変えている。いわば、寝ながら自分で負担を散らしているわけです。


沈み込みが深すぎる枕や、頭がすっぽり収まってしまう形の枕は、この寝返りを邪魔することがあります。朝、寝る前と同じ姿勢のまま目が覚める方は、少し疑ってみてください。ぴったり合っている感じがするのに朝がつらい、という場合、体が動けていない可能性があります。


3.枕より、マットレスと日中の姿勢


枕だけを替えても変わらなかった、という方に確かめていただきたいのが、この二つです。


ひとつは、下に敷いているほうです。マットレスが柔らかすぎて腰が沈むと、その分だけ首の角度も変わります。枕は単体で働いているのではなく、下と組み合わせで高さが決まります。


枕を替える前に、下を確かめたほうが早いことがあります。


もうひとつが、日中です。眠っている時間は、一日のうち長くても3分の1ほど。残りの3分の2で、首はどんな角度をしていたでしょうか。スマートフォンを見る角度、パソコンの画面の高さ、車の運転姿勢。夜に直したいものの大半は、昼のあいだに作られています。


「合う枕」を探すより、支え方のほうを


凝っている場所は、頑張っている場所です。首が頑張り続けているということは、どこかで支える力が足りていないということでもあります。骨盤かもしれないし、足元かもしれません。


当院では、姿勢や骨格の配分を確かめたうえで、髪の毛ほどの細さの鍼で深い層にもはたらきかけていきます。眠りの浅さや冷えが背景にあることも、たびたびあります。


枕が変わらなくても、朝の起き上がり方が変わることがあります。目が覚めたときに、首から先に意識がいかない。布団の中で一度大きく伸びをしてから起きられる。なお、効果や感じ方には個人差があります。


なお、朝に強い頭痛がある、手のしびれで目が覚める、という場合は、まず医療機関を受診してください。

次の枕を買う前に、支えているほうを一度確かめてみませんか。


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