体質改善

肌のくすみと糖化——化粧品を足す前に知っておきたい体の中の話

洗面台の鏡の前で指先で頬に触れ、肌の状態を確かめている女性

「最近、肌がなんだか暗い」「前よりハリがなくなった気がする」。鏡を見るたびに、そう感じていませんか。


化粧水を変えても、しっかり寝た次の日でも、いまひとつ戻らない。歳のせいだろうと、半分あきらめている。


心当たりは、いくつも挙がると思います。年齢。日焼けを繰り返してきたこと。忙しくて手入れをさぼった時期。どれも間違いではありません。ただ、同じ年齢で、同じくらい日を浴びてきた人のあいだにも、肌の質には差が出ます。


でも――何を足すかを考える前に、ひとつ確かめてほしいことがあります。肌のハリは、肌の表面ではなく、その下でつくられているという事実です。


糖化とは、体の中で起きる「こんがり」です


糖化とは、体の中で、たんぱく質と余った糖がくっついて硬く変性してしまう反応のことです。


パンを焼くと、表面が茶色くこんがりして固くなりますよね。あれに近いことが、体温くらいの温度でも、時間をかけて体の中で進んでいきます。

肌のハリを支えているのは、皮膚の奥の層にあるコラーゲンという線維です。ゴムのように伸びて、戻る。これが糖化すると、そのしなやかさが失われていきます。


新しい輪ゴムは、よく伸びます。ところが、何年も引き出しの奥に入れたままの輪ゴムを引っぱると、伸びずにぷつっと切れる。あの「戻らなくなった感じ」が、糖化したコラーゲンのイメージに近いものです。黄ぐすみと呼ばれる色の変化も、この過程で出てくるといわれています。


体の中で糖が余るのは、どんなときか


甘いものや炭水化物の多い食事が続いて、食後に血糖が急に上がって急に下がる。その波が一日に何度も繰り返されるような食べ方をしていると、使いきれなかった糖がたんぱく質と結びつく機会が増えます。


加工食品の多さ、睡眠不足、体を動かさない時間の長さも、この反応を後押しすると報告されています。


ここで大事なのは、これが老化だから仕方のないこと、ではないということです。そして、高い化粧品を足せば元どおりになる、というものでもありません。


保湿も日焼け止めも、肌を守るうえで欠かせない手当てです。ただ、表面をいくら整えても、内側で糖化が進む条件がそのまま残っていれば、また同じところに戻ってきます。煙を払っても、火の元がそのままなら煙はまた立つ、というのと同じ形です。


表面の手当てと、内側の条件を見直すこと。この二つは、どちらかではなく、両方でいいものです。


肌に出ているのは、体の中の一部です


当院は、体質を内側から見る取り組みをしています。


だから、肌のくすみだけを切り離して見ることはしません。食後の眠気、夕方の疲れの抜けにくさ、寝つきの悪さ。こうしたことと肌の状態は、たいてい同じ土台の上に乗っています。


東洋医学でも、肌や髪は体の内側の状態が表に出る場所として見ます。肌のご相談でも、まず食べ方や眠り方から伺うのは、そのためです。なお、効果や感じ方には個人差があります。


変化は、なんでもない朝に出ます


内側の条件が少しずつ整ってくると、変わったことにまず気づくのは、特別ではない朝です。


顔を洗ったあとの肌が、昨日より少し明るく見える日がある。ファンデーションののりが、いつもと違う。鏡の前に立つ時間が、ほんの少し軽くなる。

劇的に若返る、という話ではありません。「今日はまあまあいいかもしれない」と思える日が、少しずつ増えていく。その積み重ねのほうが、後から効いてきます。


なお、肌の色や状態が急に変わったとき、治らない湿疹やしこり、出血をともなうできものがあるときは、まず皮膚科を受診してください。この記事は、そうした受診に代わるものではありません。


「肌がなんだか暗い」。その変化を、表面だけの問題として片づけてしまう前に、体の内側で何が起きているのか、一度のぞいてみませんか。


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