整体に通っても肩こりが治らないと感じたら
週に一度、整体に通っている。行った日は軽い。けれど、次に行くころにはもう戻っている。これを何年も続けている。
「通うのをやめたら、もっとひどくなるんだろうな」。そう思うから、やめられない。かといって、良くなっていく実感もない。
この状態を、僕は「悪いこと」だとは思いません。ただ、確かめたほうがいいことが一つあります。
でも――「治らない」のか、「維持している」のか。この二つは、似ているようで別の話です。
まず、戻るまでの日数を数えてみてください
いちばん分かりやすい物差しがこれです。施術を受けてから、元の重さに戻るまでの日数。
この日数が少しずつ延びているなら、体は変わっています。3日で戻っていたものが5日になり、一週間になる。これは、支える力が戻ってきている過程です。
一方で、何年も同じ日数のままなら、維持はできているけれど、土台は動いていない、ということになります。悪くなるのを止めている、という意味では価値があります。ただ、変わっていくことを期待しているなら、手を入れる場所を変える時期なのかもしれません。
なぜ、同じ場所が繰り返すのか
凝っている場所は、頑張っている場所です。
体を支える力が左右で半分ずつ分かれているとします。何かの理由で片側の力が落ちると、その分をどこかが引き受けることになる。引き受けたほうは、ずっと働き続けます。硬くなるのは、その働き続けているほうです。
頑張っている側をゆるめると、その瞬間は楽になります。ただ、支える配分が元のままなら、体はまた同じ場所に仕事を回します。だから、同じ場所が繰り返すのです。
もうひとつ、なぜその側の力が落ちたのかという問いが残ります。眠れていない。食べたものが体の材料になりきっていない。冷えている。緊張が抜けない。ここに理由があるとき、骨格だけを整えても、しばらくすると戻ります。
自転車でいえば、サドルの高さが配分の話、タイヤの空気が巡りの話です。空気を入れてもサドルが合わなければ、また同じ場所が痛みます。サドルを合わせても空気が抜けていれば、軽くはなりません。
整体が悪いという話ではありません
僕はカイロプラクティックを25年続けてきました。手で触れて骨格を整えることの価値は、よく分かっているつもりです。この仕事を下げるつもりは、少しもありません。
ただ、骨格を整えても戻ってしまう方が、確かにいらっしゃいました。頭痛の背景に肩こりがあり、冷えがあり、お腹の調子があり、眠りがある。構造だけを見ていては足りない、と思いました。いまは骨格を整える手技と鍼灸の両方で、体を診ています。
いま大事にしているのは、森を見て、木を治すという言葉です。痛いところだけを見ない。かといって、全体論で終わらせて何も触らないわけでもない。全体を見たうえで、手を入れるのは一本の木です。
通い方そのものを、一度整理する
当院では、初回にカウンセリングと検査のお時間をいただいて、いまの体がどういう状態で、どこから手をつけるのかをご説明しています。
そして、あと何回くらいかかりそうかという見通しも、初回にお渡ししています。
先が見えないまま通い続けることが、いちばんつらいと思うからです。
肩こりが軽くなるというのは、肩だけの話ではないと思っています。夕方になると肩から重くなってきて、家に帰ってからは何もする気が起きない。そういう一日を過ごしている方は、少なくありません。夕方まで肩のことを考えずにいられる、というだけで、帰ってからの時間の使い方は変わります。なお、効果や感じ方には個人差があります。
なお、手にしびれがある、力が入りにくい、いつもと明らかに違う痛みがあるという場合は、まず医療機関を受診してください。
通っているのに変わらない。その理由を、自分の体質のせいにする前に、戻るまでの日数を一度数えてみませんか。
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