緊張型頭痛が治らないとき——痛み止めが効きにくくなってきた方へ
夕方になると、頭の周りを帯で締めつけられるような重さが出てくる。こめかみから後頭部にかけて、じわじわと痛む。
痛み止めを飲めば、とりあえず落ち着く。けれど最近、効くまでに時間がかかるようになった。前は一錠で済んだのに、というのも気になっている。
病院では「緊張型頭痛ですね」と言われた。命にかかわるものではないと分かって安心した一方で、では、この毎日の頭痛とどう付き合えばいいのか。そこまでは分からないまま帰ってきた。
でも緊張型頭痛が治らないのは、あなたの我慢が足りないからではありません。痛む場所と、痛みを作っている場所が、少し離れていることが多いのです。
緊張型頭痛は「首と肩から来る頭痛」でもあります
緊張型頭痛は、頭痛の中でもいちばん多いタイプとされています。脈打つようなズキズキではなく、締めつけられる、重い、圧迫される。そんな痛み方をします。
痛みを感じるのは頭ですが、その背景には、首や肩、頭を包む筋肉の緊張があると考えられています。長時間のパソコンやスマートフォン、同じ姿勢での作業、そして気の張りつめた状態が続くこと。
頭は、ボウリングの球ほどの重さがあると言われます。首が少し前に出るだけで、その重さを支える首の後ろの筋肉は、一日中引っぱられ続けることになります。
症状は煙で、原因は火の元です。頭痛という煙が上がっているのは頭でも、火の元は首の付け根にある。そういう方が、少なくありません。
痛み止めが効きにくくなってきたら
痛み止めは、痛みを抑えてくれる大切な手段です。仕事や家事を止められない日に飲むことは、悪いことではありません。
ただ、知っておいてほしいことがあります。頭痛薬を飲む日が多い状態が長く続くと、薬そのものが頭痛を起こしやすくすることがあると言われています。「薬の使いすぎによる頭痛」と呼ばれるものです。
「前より効かない」「飲む日が増えてきた」。そう感じたら、自己判断で量を増やしたりやめたりせず、医師や薬剤師に相談してください。これは、薬が悪いという話ではありません。薬で煙を抑えている間に、火の元のほうにも目を向けませんか、という話です。
凝っている場所は、頑張っている場所です
首や肩が張っていると、そこを揉みたくなります。揉むと、その場は楽になる。
でも、凝っている場所は、多くの場合「悪い場所」ではなく「頑張っている場所」です。頭の位置がずれた分を、そこが引き受けて支えている。だから揉んでほぐしても、支える必要がなくならない限り、また固まっていきます。
なぜ、そこが頑張らなければならなくなったのか。そして、本来働くはずの場所が、なぜうまく働けていないのか。僕が見ているのは、そちらのほうです。
当院での見かた
当院では、まず頭と首の位置、背中の丸まり方、肩の高さの左右差を確かめます。カイロプラクティックの視点で、頭の重さがどこに乗っているかを見ていきます。
そのうえで、髪の毛ほどの細さの鍼で、首の深い層にある筋肉の緊張にはたらきかけます。揉んでも届きにくい場所です。東洋医学では頭痛を「巡りの滞り」として見ることもあり、首だけでなく、手や足のツボを使うこともあります。
そして、ストレスや眠りの浅さといった、緊張を抜けにくくしている背景も一緒に伺います。緊張型頭痛は、体の緊張と心の緊張が重なって起こることが多いからです。
変化は、夕方に出ます。いつもなら頭が重くなる時間に、まだ余裕が残っている。痛み止めに手を伸ばす前に、「今日はまだ大丈夫かもしれない」と思える日が増えていく。なお、効果や感じ方には個人差があります。
なお、突然の激しい頭痛、今までに経験したことのない頭痛、手足のしびれや力の入りにくさ、ろれつが回らない、発熱を伴うといった場合は、様子を見ずにすぐ医療機関を受診してください。頭痛の種類を判断するのは医師です。まだ受診していない方は、まず医療機関で確かめてください。
頭が痛いのに、頭には異常がない。その矛盾は、あなたの気のせいではありません。痛みが、少し離れた場所から来ているのかもしれません。
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