季節の養生

季節の変わり目の体調不良——札幌の秋に、体が追いつかないとき

秋の朝、窓辺でストールを首に巻き、温かい飲み物を両手で持つ人

朝晩が急に冷えてきた。日中はまだ暖かいのに、夜になると上着が欲しくなる。


そんな時期になると、決まって体がだるい。頭が重い。なんとなく気分も沈む。眠っても疲れが抜けない。風邪をひいたわけではないのに、どこかすっきりしない。


「季節の変わり目だから仕方ない」。毎年そう言って、やり過ごしている方も多いと思います。

でも仕方ないで済ませている不調にも、ちゃんと理由があります。そして理由が分かると、備え方も見えてきます。


体は、毎日「調整」をしています


人の体は、外の気温が上がっても下がっても、体の中の温度をほぼ一定に保とうとしています。暑ければ汗をかき、寒ければ血管を縮めて熱を逃がさないようにする。


この調整を担っているのが、自律神経です。意識しなくても体を動かしてくれている、オートパイロットのようなはたらきです。

季節の変わり目は、このオートパイロットが一日の中で何度も設定を変えなければならない時期です。朝の冷え込みに合わせ、昼の暖かさに合わせ、また夜の冷えに合わせる。天気が崩れれば、気圧の変化にも合わせる。


調整が続くと、オートパイロットそのものが疲れてきます。だるさや頭の重さは、体がサボっているのではなく、頑張りすぎているサインであることが多いのです。


札幌の秋は、特に切り替えが大きい


札幌の秋は短く、夏から冬へ一気に進みます。昼と夜の気温差も大きく、暖房を入れるかどうか迷う日が続きます。

外は寒く、室内は暖かい。


出入りのたびに、体は温度の切り替えを求められます。さらに日が短くなると、光を浴びる時間も減り、眠りと目覚めのリズムも揺らぎやすくなります。

夏の疲れが残ったまま、この切り替えの季節に入る。秋口に体調を崩しやすいのは、そう考えると自然なことです。


東洋医学では、季節ごとに「養生」があります


東洋医学には、季節に合わせて体を整える「養生」という考え方があります。体は季節と切り離されたものではなく、外の変化と一緒に動いている、という見方です。


秋は乾燥が始まる季節とされ、喉や鼻、皮膚といった、外の空気に触れる部分に負担が出やすいと考えます。夏に開いていた体を、冬に向けて少しずつ閉じていく時期でもあります。


難しいことをする必要はありません。


  • 首元を冷やさない。朝晩はストールや襟のある服で首を守る
  • 冷たい飲み物を、温かいものに少しずつ切り替える
  • 朝、カーテンを開けて光を浴びる
  • 湯船に浸かり、一日の終わりに体をゆるめる時間をつくる


どれも、オートパイロットの仕事を少し減らしてあげる工夫です。


毎年くり返すなら、土台を見直す時期かもしれません


養生をしても、季節の変わり目のたびに寝込むほどつらくなる。毎年同じ時期に、同じ不調が出る。そういう場合は、切り替える力そのものが落ちているのかもしれません。


当院では、姿勢や首の状態を確かめ、細い鍼とお灸で、体が本来持っている調整する力にはたらきかけていきます。首まわりには、頭と体をつなぐ神経や血管が集まっているため、首の緊張をゆるめることを大切にしています。


変化は、季節の移り目に出ます。例年なら崩れる時期に、なんとか持ちこたえられている。「今年は大丈夫かもしれない」と思える秋になる。なお、効果や感じ方には個人差があります。


なお、発熱や強いだるさが続く、体重が急に減る、動悸や息切れがあるといった場合は、季節のせいと決めつけず、まず医療機関を受診してください。

季節の変わり目の不調は、あなたが弱いからではありません。体が、季節に追いつこうと頑張っている証拠です。今年の秋は、その頑張りを少し手伝ってあげませんか。


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