自律神経の不調

自律神経の乱れは何科に行けばいい?病院で異常なしと言われた方へ

病院の検査結果を見て、原因が分からず戸惑う女性

頭が重い。めまいがする。動悸がする。胃の調子も悪い。眠れない。手足が冷える。


どれも同じ自分の体に起きていることなのに、病院へ行こうとすると、行き先が分かれます。頭痛なら脳神経の科、めまいなら耳鼻科、動悸なら循環器、胃の不調なら内科、眠れないなら心療内科。


「とりあえず内科でいいのかな」と受診して、血液検査をして、「異常ありません」と言われる。次はどこへ行けばいいのか分からないまま、その日が終わる。


でも体はひとつなのに、入口だけが分かれているのだとしたら。何科に行くかの前に、知っておいてほしいことがあります。


「異常なし」は、悪い知らせではありません


まず、検査で異常が出なかったことは、大切な情報です。命にかかわるものが隠れていないと分かった。ここは、素直に安心していいところです。

ただ、検査が見ているのは主に「形」と「数値」です。レントゲンやMRIは、いわば体の写真。骨や組織の形はよく映ります。血液検査も、基準の幅の中にあるかどうかを見ています。


ところが、そこを流れる血の巡りや、神経の伝わり方、切り替えのうまくいき方までは、写真にも数値にも写りません。形に異常がなくても、はたらきが落ちていることは、珍しくないのです。


僕はこれを、壊れているのではなく、落ちている状態だと考えています。異常なし=問題なし、ではありません。


自律神経は、体のオートパイロットです


自律神経というのは、自分で意識しなくても体を動かしてくれているはたらきのことです。

飛行機のオートパイロットのようなもので、心臓を動かす、汗を出す、胃腸を動かす、体温を保つ。こうしたことを、こちらが指示しなくても勝手にやってくれています。


このオートパイロットには、動くモードと休むモードがあります。切り替えがうまくいかず、動くモードのまま夜を迎えてしまうと、眠りが浅くなる。休むモードに入れないまま朝が来ると、起き上がる力が出ない。


そして、切り替えがうまくいかないときに出る症状は、ひとつではありません。心臓にも、胃腸にも、汗にも、体温にも出ます。だから、行き先が分かれてしまうのです。症状が多いのは、大げさなのではなく、そういう仕組みだからです。


では、どこへ行けばいいのか


順番としては、こうお伝えしています。


まず、医療機関で確かめる。いちばん気になる症状の科で構いません。かかりつけの内科でも大丈夫です。隠れている病気がないかを確かめることは、いちばん最初にやるべきことです。


当院でも、必要だと感じた場合は受診をおすすめしています。


そのうえで、残ったつらさを見る。検査で異常が出ず、それでも日常がつらいまま残ったとき。そこが、東洋医学の出番だと考えています。


東洋医学は、分かれた入口を、巡りやバランスという一本の線でつなぎ直して見ていきます。頭痛とお腹の調子と冷えを、別々の三つではなく、同じ土台の上に乗った三つとして扱う。これは、科が分かれている仕組みではやりにくいことです。


当院での見かた


当院では、まず姿勢や骨格の配分を確かめます。首が前に出た状態が続いていると、頭へ向かう血管も自律神経も、その細いところを通っていきますから、切り替えに影響が出ることがあります。


そのうえで、髪の毛ほどの細さの鍼で深い層にはたらきかけながら、脈やお腹、爪や皮膚の状態も確かめていきます。「どこが悪い」と臓器を名指しすることはしません。東洋医学では、消化の系統、水分をさばく系統というふうに、はたらきのまとまりとして体を見ます。


頭痛の背景に首があり、冷えがあり、眠りがある。そういう方が、確かにいらっしゃいます。


変化は、一日の終わりに出ます。夕方になっても、まだ何かをする気力が少し残っている。「今日もなんとか乗り切ろう」ではなく、「今日は何をしようかな」と思える朝が増えていく。なお、効果や感じ方には個人差があります。


なお、突然の激しい頭痛、手足に力が入らない、しびれが急に広がる、意識がはっきりしないといった場合は、様子を見ずに、まず医療機関を受診してください。


何科に行けばいいのか分からない。その迷いは、あなたの説明が下手だからではありません。体がひとつなのに、入口が分かれているからです。


自律神経の不調でお悩みの方へ検査で「異常なし」と言われた方へ