肩こり・首こり

首こりは整体と鍼灸どっち?25年整体をして、鍼灸を学び直した理由

院長が患者さんの肩に手を当てて、骨格のゆがみを確かめている様子

「首こりって、整体と鍼灸のどっちがいいんでしょうか」


初めてお越しになった方から、よく聞かれます。調べてみると、整体を勧める記事もあれば、鍼灸を勧める記事もある。どちらも良さそうに書いてあって、結局どちらを選べばいいのか分からない。


僕は治療家歴が25年になります。骨格をみるカイロプラクティックから入り、39歳で鍼灸も学びました。どちらの立場でもある人間なので、正直に申し上げると、この質問に「どちらか」でお答えすることができません。


ただ、何を見ている道具なのかは、はっきり説明できます。


整体が見ているのは「配分」です


首が凝っている。だから首をほぐす。とても自然な発想ですし、実際それで楽になることもあります。

ただ僕は、凝っている場所は、頑張っている場所だと考えています。


体を支える力が左右で半分ずつ分かれているとします。何かの理由で片側の力が落ちると、その分をどこかが引き受けることになる。引き受けたほうは、ずっと働き続けます。硬くなるのは、その働き続けているほうです。


ですから、硬いところだけをゆるめても、支える配分が変わらなければ、また同じ場所が引き受けます。整体やカイロプラクティックが扱っているのは、この配分のほうです。


鍼灸が見ているのは「巡り」です


では、なぜその場所の力が落ちたのか。ここから先が、鍼灸の領分になります。

眠れていない。食べたものが体の材料になりきっていない。冷えている。緊張が抜けない。体を動かすモードと休むモードの切り替えが偏っている。支える力が落ちるのにも、理由があります。


自転車を思い浮かべてください。サドルの高さが体に合っていないと、こぐたびに決まった場所へ負担が寄ります。これが配分の話です。一方でタイヤの空気が抜けていると、どこも壊れていないのに、全体が重い。これが巡りの話です。


空気を入れてもサドルが合わなければ、また同じ場所が痛みます。サドルを合わせても空気が抜けていれば、軽くはなりません。

どちらが正しいか、ではないのです。見ているものが違います。


39歳のとき、鍼灸の学校に入り直しました


僕は最初、カイロプラクティックだけでやっていました。それで良くなる方は、たくさんいらっしゃいます。今も25年目ですし、この仕事を下げるつもりは少しもありません。


ただ、どうしても届かない方がいました。骨格を整えても、しばらくすると戻ってしまう。首こりの背景に冷えがあり、お腹の調子があり、眠りがある。そういう方です。


構造だけを見ていては足りない。そう思って、カイロプラクティック14年目、自分の整体院を続けながら、3年間学校に通いました。

いま僕が大事にしているのは、森を見て、木を治すという言葉です。痛いところだけを見ない。かといって、全体論で終わらせて何も触らないわけでもない。


全体を見たうえで、手を入れるのは一本の木です。


首は、特に両方が要る場所です


首には、頭へ向かう血管も、自律神経も通っています。だから首のこりは、こりのままで終わらず、頭痛やめまい、目の奥の重さといった形で出てくることがあります。


支え方という外側の問題と、巡りという内側の問題が、いちばん重なりやすい場所。それが首だと考えています。


当院では、姿勢や骨格の配分を見ながら、脈やお腹、爪や皮膚の状態も確かめます。首のご相談でお腹を触らせていただくことがあるのは、そのためです。なお、効果や感じ方には個人差があります。


首が軽くなるというのは、首だけの話ではないと思っています。夕方になると首から重くなってきて、家に帰ってからは何もする気が起きない。そういう一日を過ごしている方は、少なくありません。夕方まで首のことを考えずにいられる、というだけで、帰ってからの時間の使い方は変わります。


なお、手にしびれがある、力が入りにくい、いつもと明らかに違う痛みがあるという場合は、まず医療機関を受診してください。


「整体と鍼灸、どっちがいいですか」。その問いは、どちらかを捨てる話ではなく、いまの自分にどちらが先に要るのか、という話なのかもしれません。


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